時代に取り残された店主
こんにちは、船ヶ山です。
フラリと個人店に立ち寄ると
「酷いお店に出会う」
ことがあります。
値段も高く、味もイマイチ
なのに、そこそこ客はいて
当面、潰れる心配はない。
先日、鎌倉で立ち寄った
焼肉屋はそんな感じでした。
席数は、4席ほど
予約がないと入れないということで
仕方なく予約することにしました。
翌日、期待を胸に店内に入ると
どれも期待してしまう
値段設定だったので
ワクワクしながら待つことに・・。
すると、一品目の焼肉が登場。
第一印象が値段の割には
皿にのる枚数が少ない。
きっと味が天下一品なのかと
思いきや、、、そうでもない。
これは、たまたまと次の肉に
期待を寄せること数分。
そこに出された次の肉も
特別変わった様子もないし
味も普通。
結局、そこのお店で出された
肉は値段の割には当てが外れ
高い会計だけが残りました。
だからといって、
こういうお店はすぐに潰れる
こともないし
今後もそこそこやっていく
のだろうと思いきや
昔、若い頃にバイトしていた
小料理屋を思い出しました。
そのお店も家族経営を行い
金額は高い割には味はイマイチ
でも常連に支えられ何とか
やっていくことができましたが
女将さん(店主のお母さん)が
引退を機にお店は大幅縮小し
その他をテナントに貸し出す
ことにしたのです。
その理由は、常連だけでは
生活するのが精一杯だったので
家賃収入を得ることで
働き口を確保したとのこと。
当時、店主は50歳を超えて
いたこともあり、
どこも雇ってもらえず苦肉の策で
お店を改造し、他のテナントに
貸し出すことを決めたといいます。
そんなことも思い出しながら
焼肉屋をあとにしましたが、
なぜ、こんな状況が生まれるのか?
というと、堕落していく店主は
ライバル店に行かなくなるからです。
少し考えれば分かりますが、
焼肉屋の店主が、休みの日に
他の焼肉を食べに行くということは
なかなか想定することはできません。
独立する前の修行時代ならまだしも
休みの日ぐらいはせめて日頃は
食べない日本料理やフランチなど
食べたいと思うのが人間です。
ただ、そこにこそ罠があります。
ライバルの進化をお客の立場で
追わないと自分だけ取り残された
ことにすら気付くことができません。
しかし、お客は違います。
・好きなところには何度も通い
・嫌なところには行かなくなる
無情に見えるかもしれませんが
それが、お客です。
そういったことが嫌なら
自分も進化を止めず
ライバルを定期的に調査し
顧客の立場で美味しいを
追求していくことです。
でなければ、
顧客の入れ替わりのタイミングで
お店を潰すことになりますので
常連客が猶予をくれている間に
独立前の野心を思い出すことです。
その野心を失った店主は、
遅かれ早かれ店を畳むことに
なります。
そんな悲劇を現実のものにしない
ためにも
次のお休みは、ライバル店に
足を運ぶところから始めてみて
ください。
味はもちろん、メニュー構成
接客、雰囲気、細かな気遣い
ライバルから学ぶことは沢山あります。
それを1つでも多く盗み自社に
採用することができれば、
新しい風が店内を駆け巡り
新規客を呼び寄せるきっかけを
掴むことができるかもしれません。